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アートを日常に入れよう!国立新美術館の魅力と楽しみ方

2007年に東京・六本木にオープンし、波のように湾曲したガラス張りの建物が目を引く「国立新美術館」。日本で一番の来館者数を誇る人気の美術館です。

美術館と聞くと、なんとなく難しくて敷居の高いイメージの方もいるかもしれませんが、国立新美術館はアートが気軽に楽しめるのはもちろん、他にも楽しめるポイントがたくさんあるんです!「国立新美術館」の魅力と楽しみ方をご紹介します。

国立新美術館の魅力と楽しみ方

国内5番目の国立美術館

国立新美術館は、「東京国立近代美術館」、「国立西洋美術館」、「京都国立近代美術館」、「国立国際美術館」についで日本では5番目の国立美術館として2007年に開館しました。

美術館というと、館で所蔵するコレクションを常設展として展示し、それとは別で企画展や巡回展を行うというのが一般的ですが、国立新美術館の特徴は、なんとコレクションを持っていないところにあります。

国立新美術館の英語名は「The National Art Center, Tokyo」とあるように、ミュージアムという言葉が入っていません。それはこの特殊な運営のスタイルに合わせて「アートセンター」と名付けられました。コレクションを持たず、美術に関する情報の発信や、文化交流など、アートセンターの役割を担う新しいタイプの美術館なのです。

この美術館には常設展がないため、一年を通してさまざまな企画展が開催されているのが大きな特徴です。企画展では、2018年夏に開催された「ルーブル美術館展」のように、他の大きな美術館から借り受けた貴重なコレクションの展覧会もこれまでに多く開催されています。

他にも、公募展として日本最大の公募展と呼ばれる「日展」などもこの国立新美術館で開催されています。
企画展ごとに利用料金や、展示の開催期間が異なるので、事前にチェックしてからお出かけください。

1階から3階まで合計12もの展示室があり、常に複数の展覧会が開催されているので、さまざまなジャンルのアート鑑賞を楽しめます。音声ガイドも有料で貸し出しているので、より詳しく鑑賞したい方にはおすすめです。

黒川紀章設計のデザインが魅力的

美術鑑賞も楽しむのはもちろんですが、国立新美術館の魅力は、なんといってもその建物と館内の雰囲気でしょう。

高層ビルが立ち並ぶ六本木の街でもひときわ目立つユニークな外観の国立新美術館ですが、その存在感たっぷりの建物は、日本を代表する建築家である黒川紀章によって設計されました。

波のように湾曲したガラス窓からは、晴れた日は太陽の光が降り注いで、明るく透明感のある雰囲気。「森の中の美術館」というコンセプトのもと、美術館周辺には木々や植物の緑があふれ、あたたかく開放的な空間がつくられています。・

地下1F~4Fまである館内は、木目調のあたたかみのある歩きやすいフラットな床や、中央部分は吹き抜けのような設計になっていて、開放感にあふれた明るい雰囲気。

おしゃれなベンチや椅子があちこちに置かれていて、美術鑑賞で疲れた足を休めるのに助かります。

館内にそびえたつ大きな逆円錐形の建築物の上には、レストランやカフェがあり、とてもおしゃれな雰囲気でデートにももってこい。美術館の建物そのものも作品のひとつといって良いでしょう。

夜になると、美術館のガラス窓から館内の明かりがもれる様子もまた幻想的で素敵です。アート作品だけでなく、美術館の建物自体の造形美もぜひご堪能ください。

豊富な美術資料が集まる「アートライブラリー」

国立新美術館の3Fにある「アートライブラリー」は、どなたでも利用することができるアート・美術に特化した図書館です。

国内、国外問わず、過去に開催された展覧会の美術資料やカタログを所蔵していて、その数はなんと展覧会カタログがおよそ10万冊、図書4万冊、刊行物3000タイトルにおよびます。

「美術・デザイン・建築」など、ジャンルもさまざまな貴重な資料が揃っています。もう現在は見られない展覧会のカタログや資料を無料で閲覧することができます。

美術展覧会のカタログなどの多くは一般書籍として流通しないので、こうした資料を目に出来るのは美術、歴史、アートやデザイン、建築ファンの方にはたまらない場所でしょう。

貴重な資料が多いので、一般の図書館のように本の貸出はしていませんが、有料でコピーをとらせてもらうことができます。気になるアーティストや建築家の資料など、アート鑑賞のついでに探してみてはいかがでしょうか。

親子で参加できる「ワークショップ」

美術館は大人だけが楽しむものではありません。国立新美術館では、子供たちでも楽しめるワークショップが不定期で開催されています。

こいのぼりを自分で作ったり、段ボールや新聞紙、ガムテープのアートを作ったりと、企画展にちなんだものが多数行われています。

ワークショップには、アート・デザインの専門家やアーティストが講師となることもあり、子供達にとって貴重な体験になることは間違いありません。

対象年齢も幅広く、体験型のものから専門的なことを学べるものまで、様々なジャンルのワークショップがあるので、お子様の興味のある分野から参加してみてはいかがでしょうか。

講演会やシンポジウムが頻繁に開始される講堂

国立新美術館3Fにある講堂では、展覧会にまつわる講演会や、関連イベント、美術や文化などのシンポジウムが頻繁に開催されています。

アートや建築について、もっと深く知りたい!と興味を持たれた方は、講堂で開催される講演会などに参加してみると、より深く知識を得られるに違いありません。

また、こちらの講堂や研修室は、さまざまな用途での使用に貸し出しもしています。利用につきましては、詳しくは美術館までお問い合わせください。

お土産購入に便利な「ミュージアムショップ」

国立新美術館のミュージアムショップ「スーベニアフロムトーキョー」。1階のロビーと地下1Fにショップがあります。

美術関連の書籍や、展示関連のグッズはもちろん、ファッションや雑貨、アクセサリーや日用品、食品、工芸品まで、「東京的視点で発信するデザインやアート」に関するアイテムを幅広くセレクトしています。
 
ジャンルやスタイルの壁をこえて、世界中のデザイナーやアーティストの商品が並び、どれもセンスのある商品ばかりで心ときめくものばかり。好きな人なら時間を忘れて楽しめるお店です。

東京で活躍するアーティストの作品や、日本の伝統工芸品に現代的な要素を取り入れたユニークなグッズなど、ほかではあまり出会えない個性的でセンスの光るお土産品が見つかります。

また、ミュージアムショップの中には、定期的に入れ替わるギャラリースペースもあり、販売も行われています。夜には東京タワーや六本木の夜景も窓から眺められ、とても幻想的な雰囲気です。

ここでしか購入できないモノがたくさん並ぶ「スーベニアフロムトーキョ―」。人とはちょっと違うセンスのあるお土産を探しに、立ち寄ってみませんか?

子育て世代の方に嬉しい「託児サービス」

毎日、育児に家事に仕事にとがんばっている子育て世代のみなさんも、たまには美術館で非日常の世界に触れてリフレッシュしませんか?

国立新美術館では、そんな子育て世代の方にもアートに触れてもらえるよう、毎月第二土曜・第三日曜、および第四月曜の3日間、託児サービスをおこなっています。

0歳児にはシッターがマンツーマンで付き、1歳児には2人に対して1人、2歳児には3人に対して一人のシッターが付くようになっていて、安心して預けられます。

受付やお迎えの時間を含めて3時間預かってもらえるので、展覧会でアートをゆっくり満喫して、館内のカフェでちょっと一息つくなんていう過ごし方も出来そうですね。

対象年齢は0歳から12歳まで。事前予約制なので、あらかじめ予約をしてからお出かけください。
お子さんが楽しく遊んでいる中、家族で、ご夫婦で、友人と、ゆっくりアート鑑賞をお楽しみください。

ランチにも利用できる国立新美術館のレストラン・カフェ

展覧会でアート鑑賞を満喫して、広い館内を歩き回ると、やっぱりお腹が空いてしまうもの。そんなときには美術館内のおしゃれなレストランやカフェでランチやお茶を楽しんではいかがでしょうか。

国立新美術館の地下1Fから地上3Fには、一つのフレンチレストランと、3つのカフェがあります。こちらの各お店では、その時々に開催されている展覧会にちなんだ限定メニューなども提供していて、アート鑑賞の余韻に浸りながらお食事することができます。

デートのあとに、カフェでのんびり好きな作品について語り合ったり、展覧会の感想を言い合ったりするのも素敵です。

レストランやカフェは入場料はかからず利用できるので、ランチやお茶するのを目的に訪れるのも大歓迎!

そんな国立新美術館の素敵なレストランやカフェをご紹介します。それぞれのお店ごとに特色があるので、用途に合わせて足を運んでみてください。

ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ

国立新美術館3Fにある「ブラッスリーポール・ポキューズ ミュゼ」は、フランス料理界の巨匠ポール・ボキューズ氏のブラッスリーの日本第一号店で、ミシュラン三ツ星の正統フランス料理を気軽なスタイルで提供しています。

世界に名を馳せるシェフの本格フレンチがいただける美術館は、日本国内でも国立新美術館だけ。各種コースやカフェメニュー以外にも、展覧会にちなんだコラボレーションメニューも人気です。

美術館内にそびえたつ逆円錐形の建物の上に広がるレストランはロケーションも最高!まるで空中に浮かんでいるような気分です。

美術館の閉館すること18時以降(金曜は20時)は、レストランを利用するお客様だけのスペシャルな空間に。館内の照明が少なくなり、夜には東京タワーや六本木の夜景も窓から眺められ、とても幻想的な雰囲気です。ロマンチックな雰囲気の中美味しい料理やワインをお楽しみください。

ロケーションも格別な「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」。ここでいただくフレンチは味も見た目もまさに芸術品です。国立新美術館にお越しの際は、ぜひお立寄りください。

ディナーは予約ができますが、ランチタイムは予約ができないのでご注意くださいね。

サロン・ド・テ ロンド

美術館の2F,巨大な逆円錐型の建築物のもう片方の最上部に広がる、円形(仏語で“ロンド”)の空間。こちらにあるカフェが「サロン・ド・テ ロンド」です。

こちらのカフェは、2016年に大ヒットした新海誠監督の映画「君の名は。」に登場したことでも大変有名になりました。

開放感にあふれたこのカフェでは、ケーキやマカロン、エクレアなどのスイーツの他にも、サンドイッチなどの軽食も取り揃えています。上質な紅茶とともに優雅なティータイムをお過ごしください。

アートを楽しんだ後の余韻に浸るのにぴったりの「サロン・ド・テ ロンド」。
こちらのカフェでも、展覧会とのコラボメニューもあるのでぜひチェックしてくださいね。

カフェ コキーユ

国立新美術館の1Fにあるエントランスカフェ「カフェ コキーユ」。貝(仏語で“コキーユ”)のように波打つガラスのカーテンウォールに隣接しているカフェです。

高さが21mある美術館の天井は吹き抜けになっていて、開放感にあふれた空間。屋内には120席、屋外にも40席とたくさんの席が用意されています。天気の良い日の屋外席は、木々の緑と吹き抜ける風が大変心地良く食事を楽しめます。

コーヒーやサンドイッチ、デニッシュなど軽食メニューが中心で、ちょっと小腹を満たしたいときなど最適です。
「カフェ コキーユ」でも、展覧会にちなんだ限定メニューが提供されるので要チェックです。

カフェテリア カレ

国立新美術館地下1Fのミュージアムショップ奥にある「カフェテリア カレ」。フランス語で「四角い」を意味する「カレ」は、名前の通り、四角い空間で吹き抜けの空間が開放感あっておしゃれなカフェです。

アトリウムから注ぐ外光も気持ちよく、くつろげる雰囲気。地上階のレストランやカフェと比べると、席がとりやすい穴場スポットです。
目メニューはカレーライス、パスタ、スープやサンドイッチなどの軽食からケーキなどのスイーツまで、お子様からご年配の方まで楽しめるメニューがたくさん取り揃えられています。

好きな料理をカウンターから自分でとるセルフサービスのカフェテリア。カジュアルな雰囲気なので、お子様連れでもゆっくり食事を楽しむことができます。軽めのランチやちょっとした休憩にぜひご利用ください。

国立新美術館の基本情報

国立新美術館は、日本で最大級の展示面積を誇る大きな美術館です。12もの展示スペースを有し、常にさまざまな展覧会やイベントが開催されています。

入場は無料ですが、企画展をご覧になるにはチケットが必要です。国立新美術館にお出かけする前に必要な、アクセスや開館時間など基本情報をご紹介します。

国立新美術館の開館時間・休館日

企画展:10:00~18:00
・会期中の毎週金・土曜日は20:00まで(ただし7月~9月は21:00まで)
・入場は閉館の30分前までです。
・展覧会によっては観覧時間が異なるので、企画展のホームページでご確認ください。

公募展:10:00~18:00
・入場は閉館の30分前までです。
・美術団体によって観覧時間が異なるので、美術館にご確認ください。

休館日は、毎週火曜日です。(祝日または振替休日にあたる場合は開館し、翌平日は休館日になります。)その他のお休みもある場合があるので、美術館のホームページでご確認ください。

国立新美術館のアクセス情報・駐車場・最寄駅

電車をご利用の場合
・東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口から美術館直結。
・都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分。
・東京メトロ日比谷線六本木4a出口から徒歩約5分

バスをご利用の場合
・都営バス・・・六本木駅前下車徒歩約7分
        青山斎場下車徒歩約5分
・港区コミュニティバス「ちぃばす」赤坂循環ルート六本木七丁目下車徒歩約4分

お車をご利用の場合
・美術館には駐車場はありません。美術館周辺の有料駐車場をご利用ください。
・身障者用駐車場は完備。障害者手帳を警備員にご提示し、指示にしたがってください。

バリアフリーでの入館を希望される方は、千代田線乃木坂駅6出口からはバリアフリーで美術館に入場することができます。

国立新美術館の入館料金・お得なクーポン

国立新美術館の入館は無料ですが、企画展を観るにはチケットが必要です。企画展によって料金が異なるので、展覧会のホームページや美術館のホームページで事前にチェックしてからお出かけください。

また、国立新美術館で開催している公募展チケットを提示すると、企画展が割引料金で観覧できるお得なサービスもあります。詳細は各展覧会の窓口でご確認ください。

なお、チケット購入をする際、当日券より前売り券を購入した方が少しお得になります。前売り券は、企画展が始まる前の期間に販売されるので、気になる展覧会がある方は早めにチケットをご購入ください。

まとめ

国立新美術館についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?館のコレクションを持たず、美術に関する情報の発信や、文化交流など、アートセンターの役割を担っている新しいタイプの美術館「国立新美術館」は、アートのみならず、そのインパクトがある建物と開放感と非日常感を感じられる館内も必見!

た、映画にも登場したカフェや、フレンチの巨匠の味を堪能できるレストラン、個性豊かなお土産が購入できるミュージアムショップなど、展覧会以外にも魅力がいっぱいの美術館です。

五感で楽しめる国立新美術館、ぜひ足を運んでみてください。