新宿ゴールデン街をご存じですか?小さな飲み屋がいくつも集まり、昭和時代の昔懐かしい雰囲気を作っている一角です。かつては文豪の人々が通い、熱い討論を繰り返した場所でした。
新宿の都会さとは異なった雰囲気に、常連さんが長年通ったり、外国人旅行客に人気となったりしています。今日は、この新宿ゴールデン街の楽しみ方、楽しむためのルールなどをお伝えします!
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新宿ゴールデン街の基本情報
まずは、新宿ゴールデン街の基本情報をまとめます。
新宿ゴールデン街の基本情報
- 住所:郵便番号160-0021東京都新宿区歌舞伎町1丁目1番地5~10
- 店舗数:約280軒
- 組合:新宿三光商店街振興組合・新宿ゴールデン街商業組合
- 新宿三光商店街振興組合URL:http://goldengai.jp/index.html(全店舗地図の掲載あり)
新宿ゴールデン街とは
新宿ゴールデン街とは、新宿の高層ビル群に囲まれた中、小さな木造の長屋が連なっている地域です。新宿駅に近い新宿歌舞伎町1番街などは、高層ビルとネオン看板のきらめく通りとなっていますが、そことは一味違い、低層建物が連なる昭和を懐かしむ雰囲気に満たされている飲み屋街となっています。
最近では、菅田将暉の主演ドラマ「3年A組―今から皆さんは、人質ですー」(2019年1月~放送)の中で、郡司真人(俳優・椎名桔平さん)が犯人を捕まえた歓楽街のロケ地として使われていました。昔懐かしい飲み屋街の雰囲気がドラマの中でとてもいい味を出していました。
この新宿ゴールデン街には、このロケで使われたような通りがいくつもあります。それぞれ、「まねき通り」「あかるい花街1番街」「あかるい花街5番街」「ゴールデン街G1」「ゴールデン街G2」などと名前が付けられ、約280軒の店々が軒を連ねています。
新宿ゴールデン街のことをもっと知り、懐かしい雰囲気の飲み屋街を楽しんでみませんか。
新宿ゴールデン街の歴史
新宿ゴールデン街は、戦前・戦後に闇市や風俗の営業が集まった区画から始まっています。1958年の売春防止法が施行された後は、飲み屋街が密集する地域となり、この頃から「新宿ゴールデン街」とよばれるようになりました。
当時、新宿ゴールデン街の店は、文壇バーとよばれるお店が多数あり、作家や編集者、映画監督や演出家、俳優やモデルなどの常連客も多くいました。特に作家やジャーナリスト、編集者たちが集まり、熱い議論を戦わせたり、持論を語ったりする場となっていたようです。
新宿ゴールデン街に通っていた著名人としては、漫画家の赤塚不二夫、小説家の司馬遼太郎・北方健三・遠藤周作・志茂田景樹、画家の岡本太郎、映画監督の大島渚、俳優の菅原文太・高田順二、ジャーナリストの立花隆、歌人の俵万智などがいます。
今でも、新宿ゴールデン街には、「プチ文豪バー」「bar図書室」など文豪の方々が通われた当時をしのぶお店も見られます。また、各お店でかけられている曲も80年代の曲だったり、狭い店内と急な階段が残っていたりと文豪や文学者の方々がこんな場所を楽しんでいたのだなと思いを馳せることができるお店も多数あります。
その後、1980年代のバブル景気のときには、この一帯の地価が急騰し、新宿ゴールデン街にも再開発の話が持ち上がりました。土地の買い占めを行う地上げ屋が、この一帯を狙うようになったのです。しかし、地上げや再開発に反対する店のオーナーらは、新宿ゴールデン街を守るための組織を結成し、地上げ屋に対抗しました。
1991年のバブル崩壊により、地上げ屋との対立は終わりましたが、地上げにより閉店した店も相次ぎ、景気後退による客足の減少もあり一時期ゴーストタウンのようになりました。
そのような中でも、既存店のオーナー達はあきらめず、区の支援を受けて下水やガスなどの大規模なインフラ整備を行っていきました。その努力が良い方向に動き、若い人による斬新なコンセプトの店舗が新たにオープンするなど、活気を取り戻していきました。
現在では、外国人旅行客も注目するスポットとなり、古き良き時代を感じる、また個性的な小さな飲み屋を渡り歩く楽しみがある素敵な場所となっています。
新宿ゴールデン街へのアクセス・駐車場
新宿ゴールデン街は、新宿駅東口から北東方向に約300m、西武新宿駅南口から東方向に約300mのところにあります。新宿区役所と花園神社の間に位置しているので、地図で検索をする場合、そのどちらかを目印にするとわかりやすいです。
新宿ゴールデン街の通りの奥に花園神社が見えます。花園神社から見ると、本殿裏側に新宿ゴールデン街が広がっています。
それでは、電車で行く場合、バスで行く場合、車で行ったときの駐車場の情報をまとめます。
電車で行く場合
徒歩6分 東口を出て靖国通りを東へ、区役所方向へ行きます。
●西部新宿駅より
徒歩6分 南口を出て東方向へ進みます。
●地下鉄都営新宿線・丸の内線・副都心線
新宿三丁目駅B-3出口より徒歩5分、E-1出口より徒歩1分です。
バスで行く場合
●バス停:歌舞伎町(都バス、京王バス)約200m 約3分
●バス停:新宿伊勢丹前(都バス)約350m 約5分
●バス停:新宿駅東口(都バス、京王バス)約380m 約6分
駐車場情報
全日25分200円 最大料金7:00~19:00 2000円
●ブルーパーキング歌舞伎町第2(徒歩1分 8台)
8:00~18:00 20分200円 18:00~8:00 25分200円
●歌舞伎町花園駐車場(徒歩2分 52台)
全日12分100円 最大料金 入庫後10時間まで 2000円
など
新宿ゴールデン街に行く時の基本ルール
新宿ゴールデン街は、常連のお客様、長年お店を経営しているオーナーの方などが多数みえます。その方々を大切にする思い、この地の歴史を大切にする思いでお店を訪れる必要があります。
それぞれのお店の雰囲気を守り、文豪の通った街を楽しむための基本ルールを知っておきましょう!
座席数が限られているので待つ人が現れたら店を出る
新宿ゴールデン街は、3坪、4坪程度の小さなお店がほとんどです。店内の座席が10席もない店も多くあり、人気のお店はすぐ一杯になってしまいます。
オーナーの話が楽しかったり、お料理がおいしかったりとついつい長いがしたくなる人気店も多いですが、新宿ゴールデン街では、店が混んできて待つ人が現れたら、席を譲るようにしましょう。
そして、次のお店を楽しみに行きます!たくさんある飲み屋を渡り歩き、自分の好みの雰囲気のお店を探すのも新宿ゴールデン街の楽しみ方の一つなのです。
次に行くお店が思いつかないときには、オーナーに「おすすめのお店はありますか?」と聞いてみるといいですね。オーナーがお客さんに合いそうなお店を教えてくれると思います!
酔いつぶれている人はそっとしておく
新宿ゴールデン街では、店内だけでなく路上でも注意することがあります。
まずは、酔いつぶれている人に出会っても、そっとしておいてあげましょう。店内で酔いつぶれている人がいても、オーナーがちゃんと気を配っているため、来訪者の方は声をかけず、そっといておいてあげましょう。
また、新宿ゴールデン街は、飲み屋を渡り歩くはしご酒をしている人が多くいます。そのため、路上で酔いつぶれて休憩している人を見かけるかもしれません。その人のペースで新宿ゴールデン街を楽しんでいると考え、路上で酔いつぶれている場合でも、そっとしておいてあげましょう。
路地は細く、店々がひしめき合っています。そのため、集団になり路上で立ち話をしたり、騒いだりすることがないようにも気をつけましょう。
また、新宿ゴールデン街北部の新宿三光商店街振興組合の地域は、路地が私有地となっています。路地の写真撮影等も申請がいるとされています。路地や店内の写真を撮りたいときには、お店のオーナーに写真撮影が大丈夫か確認をしてから撮影するようにしましょう。
チャージ料金がかかるお店が多いので事前に確認しておく
新宿ゴールデン街には、たくさんの店があり、それぞれのルールがあります。多くのお店が飲食代以外にチャージ料金やお通しの料金を設定しているので、その料金を事前に確認することが必要です。
チャージ料金やお通しの相場には幅がありますが、無料~1000円くらいのお店が多いです。近年は外国人旅行者も多く、店の外にチャージ料金、お通しの料金を明示しているお店も増えて来ています。
無用なトラブルとならないよう、行くお店のルールや料金はよく確認するようにしましょう。
客引きの勧誘には気をつける
新宿ゴールデン街には、かつてボッタクリバーとよばれる店も存在し、うかつにお店に入ると高額請求されてしまうということもありました。現在では、再開発や組合管理が進み、外国人客も多くなったことで、このようなボッタクリバーはほぼ聞かなくなりました。
しかし、料金制度が良心的ではない店もわずかですが残っています。客引きをしている店、勧誘をしている店には特に気をつけましょう。
この記事の後半でも何軒かお店を紹介していますが、新宿ゴールデン街に行く前に、自分に合いそうなお店、評判がよく料金がわかりやすいお店などを2、3軒は調べておくとよいです。1軒だけではそのお店が休業だった場合に困りますから、2、3軒候補を出しておくと安心です。
現地では、行ったお店のオーナーに聞いて次のお店が探せます。オーナーの紹介であれば、大丈夫でしょう!
大人数での利用は控える
新宿ゴールデン街は、10人入るか入れないかという小さなお店が多いです。そのため、多人数では席が確保できない可能性があります。また、多人数で行ってお店を占領してしまうのではなく、少人数で行き、お店のオーナーや他の来訪客との会話を楽しむようにしましょう。
そのため、新宿ゴールデン街は1~3人程度の少人数で行くことをおすすめします。
新宿ゴールデン街の人気のお店
新宿ゴールデン街に初めて行く場合、店の数があまりに多く、どこのお店に入ろうかと悩んだり、敷居が高く感じたりするかもしれません。たくさんあるお店の中には、「一見さんお断り」のお店もいくつかはありますが、新規のお客様大歓迎のお店もたくさんあります。ここでは、新規の方でも行きやすいおすすめの5軒をご紹介します。「まず、ここへ行ってみようかな。」というお店が見つかりますよ!
クリシュナ
異国情緒を楽しめる、クリシュナをご紹介します。クリシュナは、インド・中東をイメージしたラウンジバーです。真っ赤な壁、モロッコから取り寄せたクッションやランプ、外国のお香の匂いなど海外にいるのではないかと思うエキゾチックな店内となっています。
店内の雰囲気だけでなく、メニューもキーマカレー、パクチーの入った香草サラダ、鶏肉のフォー、ベトナム風水餃子などアジアンを楽しめるものになっています。ドリンクメニューも100種類以上あり、アジアや中近東の珍しいビールもあります。
そして、お店のイベントも見逃せません。毎週火曜日とその月の最後の水曜日には、ベリーダンスのショータイムがあります。また、火曜日と木曜日にはタロット占いが開催されるなど、イベントが盛りだくさんです。
イベントの曜日は変更される場合もあります。詳細はお店のページで確認しましょう。また、人気のイベントは、予約をしてから行きましょう。
クリシュナの基本情報
- 住所:東京都新宿区歌舞伎町1-1-5パレスビル202
- TEL:03-5287-2561
- 営業時間:19:00~翌5:00
- 定休日:年始のみ
- チャージ料:500円
- ペット:OK
- URL:http://krishuna.com/
マチュカ・バー
大阪弁をお話されるオーナーのマチコさん。その癒し系のお話し方と店内の落ち着いた雰囲気に常連客がたくさんいるお店です。そして、初めての人も安心して飲めるお店として評判です。
店内は、大理石のカウンターや昔のよき時代を感じるシャンデリアがあり、アナログ・レコードの音楽が流れたりしています。また、カウンター奥の酒瓶の棚の上には、様々な本が並び、この地がかつて文豪が集まっていたという歴史を思い起こさせます。
オーナーと、そして隣り合わせた人とまったりおだやかな会話を楽しむことができるお店です。オーナーのマチコさんは、不定期で登場されています。オーナーがいない日でも、お話し上手なオーナー代理の方々がお客様をもてなしてくれます。
メニューは、ベルギービール、英国ビール、スコッチバーボンなど厳選したお酒が並びます。マチュカ・バーでゆったりとした時間を過ごしてみませんか。
マチュカ・バーの基本情報
- 住所:東京都新宿区歌舞伎町1-1-6 花園5番街
- TEL:03-3205-9288
- 営業時間:月~土 21:00~翌4:00
- 定休日:日曜日
- チャージ料:1000円 ドリンク800円~
- URL:www.macskabar.com/
KENZO’S BAR
ヒョウ柄の壁が印象的な階段を上ると、そこは…。店内の壁もヒョウ柄、椅子もヒョウ柄そして日によりますが店長の服もヒョウ柄と、たくさんのヒョウ柄に囲まれたバーです。店長の謙三さんは、役者をされたり、脚本演出家をされたり、政治家を目指してみえたりといろいろな世界をご存じで、その楽しい話術とお人柄にお客さんが集まります。
特に外国からのお客様も多く、店長さんのお人柄が海外にまで広まっているのが印象的なお店です。隣り合った外国の方とお酒を飲みながら陽気にお話をしてみませんか。
店内は、80年代の音楽が流れ、どこか懐かしい雰囲気でいっぱいです。海外の人と触れ合う可能性の大きいKENZO‘S BARを訪れてみませんか。
KENZO‘S BAR の基本情報
- 住所:東京都新宿区歌舞伎町1-1-7 2階 新宿ゴールデン街 花園3番街中程
- TEL:090-9847-5563
- 開店時間:20:00
- オーナーtwitter:https://twitter.com/KENZOS_BAR
- オーナーfacebook:https://ja-jp.facebook.com/KENZOS-BAR-302135649798200/
流民
赤いライトで照らされた店内が印象的なお店、流民です。前の店主のJoeさんから店を任された現在の店主スーさんがお店を営業しています。
店内は、何度か改装をされ新しくなっていますが、一本の長いカウンター席の配置は変わらず引き継がれています。カウンター席のどこからでオーナーとの会話が楽しめる配置となっています。
赤いライトの下では、温かみのある会話が花盛りとなります。ゆったりとその雰囲気を味わってみましょう。
流民の基本情報
- 住所:東京都新宿区歌舞伎町1-1-5 アティック流民
- TEL:03-3203-0721
- 開店時間:18:00~翌5:00
- 定休日:日曜日(時々)
- チャージ:1000円(手作りお通し付き)
- ワンショット:500円~
- お店情報URL:http://www.goldengai.net/shop/f/05/
クラクラ
30年を超える歴史のあるお店です。銀座にあった「クラクラ」と呼ばれる坂口安吾夫人ゆかりの文壇バーから承諾を得て名前を引き継ぎ、新宿ゴールデン街のこのお店の名前になりました。現在のオーナーは、役者・演出家である外波山文明さんです。
お店は、新宿ゴールデン街にしてはめずらしく、9坪ほどの大きさで、店内には40人程が入ることのできる広さがあります。店内の杉の板張りの広い壁には、作家の絵画が飾られるなど、お酒を飲みながら絵の鑑賞もできるお店となっています。
また、家庭的なお料理が人気で、ブリ大根、ナスの豚肉炒め、かぼちゃとクリームチーズのサラダなど気取らず、日本人が故郷を思い出すような優しい素朴な味わいが楽しめます。
このお店は、歌人の俵万智さんやコメディアンのたこ八郎さんが働いていたこともあり、また、俳優の高田純次さんがよく通っていたお店としても有名です。もしかしたら、有名人に遭遇するかもしれません。ただし、そんな時にも新宿ゴールデン街の流儀にのっとり、有名人の方のゆったりとしたお酒タイムを台無しにしないような行動をとってくださいね。
クラクラの基本情報
- 住所:東京都新宿区歌舞伎町1-1-9
- TEL:03-3209-3660
- 営業時間:19:00~26:00
- 定休日:12月30日~1月3日
- チャージ:1200円
- ワンショット:500円~
- お店情報URL:http://www.tubakigumi.com/kurakura/
新宿ゴールデン街まとめ
新宿ゴールデン街には、個性的なお店が約280軒もあります。たくさんのお店があるので、きっと自分のお気に入りのお店が見つかると思います。小さなお店の中で、オーナーとの会話、そしてその場で一緒になった隣り合う人との会話などを楽しんでみませんか。また、新宿ゴールデン街では当たり前のはしご酒も試してみませんか。時間が経つのを忘れてしまうことでしょう。
そして、新宿ゴールデン街では、日々の営業の他、さくら祭りが開催されたり、納涼祭が開催されたりとイベントが行われることがあります。たくさんのお店が参加するスタンプラリーではチャージ料が無料になっていたり、祭りに合わせて各店舗がイベントを行っていたりします。
そんなイベント情報も上手にゲットして、新宿ゴールデン街を楽しみましょう!