東京都渋谷区原宿にある「浮世絵太田記念美術館」は、国内でも有数の、浮世絵を専門とする私設美術館です。世界でも注目されている葛飾北斎や歌川広重、歌川国芳など、有名な絵師の作品を多数収蔵・公開しており、国内外からもたくさんの観光客が訪れています。
日本の流行の発信地である原宿で、日本の伝統美に出会える「浮世絵太田記念美術館」。そんな「浮世絵太田記念美術館」について、見どころや開催しているイベントなどおすすめ情報をご紹介します!お出かけの際にはぜひ参考にしてください。
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浮世絵太田記念美術館の基本情報
浮世絵を専門としている「浮世絵太田記念美術館」は、国内外でも人気の絵師たちの作品を所蔵しています。毎月さまざまなテーマの企画展が開催されていて、浮世絵の魅力を多様な視点から楽しむことができ、日本を訪れたらぜひ立ち寄ってほしい美術館です。
東京で最も多くの浮世絵を展示している「浮世絵太田記念美術館」で、美しい浮世絵の世界にどっぷりと浸ってください。
浮世絵太田記念美術館とは
浮世絵に特化した「浮世絵太田記念美術館」は、東京都渋谷区のラフォーレ原宿の裏手にあります。東邦生命保険相互会社の元会長であり、浮世絵収集家であった故太田清蔵氏の「浮世絵の個人コレクションを公開してほしい」という遺言により、1980年に開館しました。
浮世絵は、江戸時代初期に誕生し、発展した木版画で、日本独自の大衆美術です。
「浮世絵太田記念美術館」には、葛飾北斎や歌川広重、鈴木春信など人気絵師の代表作をはじめ、肉筆画や版画など、約12,000点ものコレクションを所蔵、展示しています。これらのコレクションは故太田清蔵氏が、昭和初期から半世紀かけて収集したものです。
この美術館の特徴は、すべての作品が色鮮やかで美しい保存状態であること。浮世絵の誕生した江戸時代初期から、浮世絵が終わりを告げる明治時代にいたるまでの代表作品が所蔵されています。
美術館の1階には、中央に枯山水風の庭園があり、和の落ち着いた雰囲気の中、浮世絵鑑賞を楽しむことができます。2階のギャラリーでは、浮世絵の製作工程も常時展示していて、浮世絵制作に実際使われていた道具や塗料も鑑賞することができます。
美術館では、毎月さまざまなテーマに沿った展覧会が開催され、約80~100点の作品が展示されます。展覧会以外にも、浮世絵に関する講座や浮世絵の研究者に助成金を提供する活動、ビデオ上映なども行われており、浮世絵の多彩な魅力を楽しむことができます。
浮世絵太田記念美術館のコレクション
浮世絵太田記念美術館には、太田清蔵氏(1893-1977)が収集した約12,000点のコレクションの他に、故長瀬武郎氏寄贈による北斎のコレクションの626点や、旧鴻池コレクションの扇面画約1000点を加えた約14,000点を超える大規模なコレクションを所有しており、その後も毎年新しい収蔵品を加えています。
世界的にも人気の有名絵師、葛飾北斎や喜多川歌麿、鈴木春信や歌川広重らの代表作をはじめ、浮世絵の始まった江戸時代初期から、終わりを迎える明治時代までの浮世絵の歴史をたどりながら、数多くの作品を収蔵しています。
その中には、菱川師宣の「美人遊歩図」、美人画で有名な鈴木春信の「風流うたひ八景」や歌川広重の「名所江戸百景」の全作品。また、葛飾北斎の貴重な肉筆画や「冨獄三十六景凱風快晴」や、東洲斎写楽の役者絵など、世界でも大変貴重な作品がたくさん含まれており、見応え十分です。
浮世絵を通して、江戸の文化の移り変わりを感じることができます。また、この美術館のコレクションは、その膨大な数だけでなく、摺られた当初の美しい色彩を残した優れたコンディションを保っていることも特徴です。
浮世絵太田記念美術館の開館時間・料金
- 所在:東京都渋谷区神宮前1-10-10
- TEL:03-3403-0880
- ハローダイヤル:03-5777-8600
- 開館時間:午前10:30~午後5:30(入館は午後5時まで)
- 休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始
展示替え期間示:美術館の開館カレンダー(HP)を参照
入館料について
浮世絵太田美術館では、常設展示はしておらず、月ごとに異なるテーマに応じて展示内容をかえて企画展を開催しています。そのため入館料は展示により異なるので、美術館のホームページや、各展覧会のホームページでご確認ください。
- 中学生以下は無料
- 中学生以上の学生は、学生証を提示すること
- 団体(10名以上)の場合、1名あたり100円引き(支払いは一括にすること
- 障害者手帳の提示で、本人と付き添い1名は100円引き
- その他各種割引については、美術館までお問合せください
浮世絵太田記念美術館のアクセス・駐車場
電車をご利用の場合
JR山手線をご利用の場合:原宿駅表参道口より徒歩5分(表参道を青山方向へ進み、ソ
フトバンクの先の路地を左折する)
東京メトロ千代田線/副都心線をご利用の場合:明治神宮前駅5番出口より徒歩3分
(表参道を原宿方向へ進んで千疋屋の
先の路地を右折する)
自家用車をご利用の場合
美術館には駐車場はありません。近隣の有料駐車場を利用するか、公共の交通機関をご利用ください。
浮世絵太田記念美術館の講座・催し・展覧会
浮世絵太田記念美術館では、毎月異なるテーマで浮世絵作品を紹介する展示解説や、浮世絵や江戸文化についてさらに理解を深められる面白い講座や催し物が開催されていて、浮世絵のあった時代の文化を楽しく体験することができます。
浮世絵太田記念美術館で開催されている講座や催し物、展覧会についてご紹介します!
江戸文化講座
浮世絵太田記念美術館で開催されている人気講座「江戸文化講座」では、「落語」や「江戸時代のファッション」など、さまざまなテーマから江戸文化を学べるユニークな講座です。
講座には、その分野に長けた専門家やアーティストなど著名人を講師に迎え、美術館の学芸員が各回のテーマに関連した浮世絵を紹介します。
2019年2月には、「落語と浮世絵で楽しむ江戸文化」をテーマに講座が開催され、講師には落語家の「雷門小助六」師匠を迎え、落語の実演とともに、その落語の題材に関連した浮世絵が、学芸員により紹介されました。
さまざまな分野と浮世絵の関係から江戸文化を学ぶことができる大変楽しい講座です。興味のある方はぜひご参加ください。
夏休み子ども講座
浮世絵太田記念美術館では、夏休みに小中学生を対象に浮世絵講座を開催しています。
過去には、「浮世絵をつくってみよう」をテーマに、カラフルな木版画の「錦絵」を自分で作ってみようということで、葛飾北斎の「冨獄三十六景 神奈川沖浪裏」を実際に摺って、浮世絵の製作工程を親子で一緒に学ぶという講座が開かれました。
ただ教科書や本などで得た知識だけではなく、実際に自分で体験してみると、浮世絵制作の難しさや面白さをより実感し、感動も深まるでしょう。夏休みの思い出に、浮世絵講座で他ではなかなかできない体験をしてみませんか?
日曜映写会
浮世絵太田記念美術館では、企画展開催中の日曜日に、地下一階の視聴覚室にて、浮世絵の歴史や技法についての映画を上映する「日曜映写会」を開催しています。
上映映画は、「江戸文化の精華」、「伝統木版画の技法―匠達の技」など、約30分の上映で、一日二回上映しています。第1回は午前11時から、第2回は午後2時からで、2回とも同じ内容が上映されます。
展示内容や美術館の都合により、日曜映写会は開催されない場合もあるので、開催の有無については美術館まで直接お問い合わせください。
浮世絵の展覧会を鑑賞したついでに、映画を観て、浮世絵の知識をさらに深めてみるのはいかがでしょうか。
若手研究者講演会
浮世絵太田記念美術館では、若手の研究者がより専門的な見地から分析、考察した成果を解説する「若手研究者講演会」も無料で開催しています。
申し込みも不要です。興味のある方は美術館の当日入場券をお持ちの上、会場(太田記念美術館 視聴覚室(B1階)までお越しください。先着順の入場で、満席の場合は立ち見で参加することができます。
浮世絵太田記念美術館の展覧会
浮世絵太田記念美術館では、月ごとに作品を入れ替え、常に80点から100点に及ぶ浮世絵を展示しています。毎月のテーマの異なる企画展を通して、いろいろな切り口から浮世絵の魅力を発信しています。
過去の展覧会としては、明治末から大正、昭和にかけて活躍した花鳥画で有名な絵師「小原古邨」展や、浮世絵を「かわいい」「おもしろい」といった切り口で紹介した「かわいい浮世絵 おかしな浮世絵」展が開催されました。2019年4月からは、「没後170年記念 北斎―富士への道」展が開催されます。
毎月さまざまなテーマで、多彩な切り口から浮世絵の面白さを紹介してくれるので、何度来館しても飽きることがないでしょう。
開催中の展覧会では、「学芸員によるスライドトーク(無料)」が会期中数回実施されているので、浮世絵についてもっと知識を深めたい方はぜひ参加してみてください。
浮世絵太田記念美術館まとめ
浮世絵は、江戸時代の庶民のくらしや風景を描写したものなど、かつての日本のくらしや、当時流行していた文化などを色濃く反映しています。浮世絵は西洋の絵画にも多大な影響を与えています。
浮世絵太田記念美術館は、日本でも屈指の浮世絵を多数コレクションし展示している美術館です。月ごとにテーマを設けて浮世絵を展示しているので、毎回違う浮世絵の魅力に出会うことができます。浮世絵好き、江戸時代好きにはたまらない美術館でしょう。
流行の発信地、原宿にいるとは思えない、しっとりと落ち着いた和の美術館「浮世絵太田記念美術館」で浮世絵の世界にどっぷりとひたってみてはいかがでしょうか。