京都の街がより一層美しく際立つ秋。紅葉の季節は一年の中でも特に多くの人々が京都へ訪れています。
京都の代表的な観光スポットである伏見稲荷大社も紅葉を堪能できる絶好の地。本記事では伏見稲荷大社の紅葉狩りを楽しむポイントと、その他京都の紅葉刈りスポットをご紹介します。
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京都伏見稲荷大社の紅葉を堪能するポイント
京都駅から二駅、伏見稲荷駅の目の前にある伏見稲荷大社はアクセスもよく、参道には多くの屋台が立ち並び週末ともなれば常に賑わいを見せています。
紅葉の時期には国内外問わず観光客が多く訪れるので、歩くのもやっとな人出になることも珍しくありません。そのためゆっくりと紅葉を楽しみたいのであれば早い時間帯がおすすめ。
できれば誰も歩いていない千本鳥居と紅葉を写真に収めたいところですが、まず到着して入り口付近で撮影をする人が多いので、一気にある程度奥まで進んでしまったほうがひと気はまばらなのでシャッターチャンスを狙えそうです。
伏見稲荷大社の見どころ
伏見稲荷大社の見どころといえばやはり千本鳥居でしょう。その他にも境内には述べ1万基もの鳥居があるとされています。
711年に稲荷大神を祀ったことが起源と言われており、827年に弘法大師である空海が嵯峨天皇から東寺を賜った際に鎮守社となりました。鎌倉時代には鎌倉幕府初代将軍の源頼朝が武運を祈念した場所としても有名です。
重要文化財である本殿は応仁の乱によって一度焼失しましたが、1494年に再建されたものです。宇迦之御魂大神・大宮能売大神・佐田彦大神・田中大神・四大神を祀っており、軒下には安土桃山時代の豪華な彫刻が施されています。
江戸時代末期から始まった鳥居の奉納は奥宮に向かう参道にあり、長さはおよそ70mほどになっています。稲荷塗りとも言われる朱塗りは、稲荷大神が楓を好んだこと、また破邪の呪力を示すもの、赤土の持つ生命力を表しているとされています。
また商売繁盛や交通安全、五穀豊穣にご利益のある神社であり、外国人観光客が選ぶ日本にきて良かったスポットの第1位に選ばれたこともある神社です。
伏見稲荷大社の紅葉の見ごろ
伏見稲荷大社の境内にはイチョウやカエデ、モミジといった木々が植えられており、毎年11月月の中旬から11月の下旬にかけて一斉に色づき始めます。
紅葉の状態の目安ですが、
・11月中旬頃:全体的に紅葉が進み、一部では見頃を迎える
・11月下旬頃:ほとんどの葉が鮮やかな赤に染まり見頃を迎える
・12月初旬頃:暖かい日が続いた年はまだ楽しめるが、次第に葉が落ち始める
といった具合です。
見頃といえるのはほんの2,3週間程度ですが、荒れた天気が続けば見頃を迎える前に葉が落ちてしまうこともありますし、寒い日が続けば早めの紅葉になります。紅葉シーズンが近くなったら、天気予報と相談しながら日程を決めたほうがより確実ですね。
伏見稲荷大社の紅葉が美しい理由
伏見稲荷大社といえば、随所に鮮やかな朱色が塗られていますよね。天気が良い日には青空にもくっきりと映えますが、秋の紅葉との相性も大変よく、境内には赤と黄に色づく木々が植えられているのでより一層色彩の華やかさが増します。
千本鳥居の中は少し薄暗くあまり周囲の木々は見えないので、写真に収めるのであればやはり参道からの一番鳥居が人気のようです。
ライトアップされた伏見稲荷大社の紅葉を楽しめる
稲荷大社は24時間自由に入場することができ、何時に閉門ということがありません。つまり紅葉の時期ではなくても気軽に夜間の伏見稲荷大社を楽しめるということなのですが、紅葉の時期にも特別なライトアップというものは行っていないのです。
しかし夜になると普通のライトが点灯しているので、嵐山や清水寺など夜のライトアップに力を入れている寺社ほどではありませんが、楽しむことはできます。人がわんさか溢れている昼間とは打って変わって、夜の伏見稲荷大社はとても静か。
もちろん千本鳥居や稲荷山の方まで歩いていくこともできますが、ぼーっと明かりの中に浮かぶ鳥居とお稲荷さんがちょっと怖いかもしれません。
でもせっかくなら夜の雰囲気も味わってみたい!とお考えならぜひ奥社の方まで行ってみてはいかがでしょうか。
参拝時間中に行くと御朱印をもらえる
伏見稲荷大社では3種類の御朱印をいただくことができます。それぞれ御朱印の受付場所が異なるので一気に混雑することはあまりないようですが、一度にたくさん集中してしまうと何十分待ちとなってしまうこともあるので、確実に欲しいのであれば到着してまず御朱印帳を渡しに行ったほうがいいかもしれません。
各御朱印の受付場所ですが
・おもかる石付近の奥社参拝所
・稲荷山を登った先の御膳谷奉拝所
にあります。しかし時期によってはまれに場所が移動している場合もあるので事前に確認しておきましょう。
近年では空前の御朱印ブームが巻き起こっており、熱心なコレクターも少なくはありませんが、元々は写経をしてその寺に納めたことを証明するというものでした。今ではそこへ参拝したという証明書として購入するケースが増えていますね。
本来の趣旨とは異なるため、場所によっては写経をしてからでないと御朱印は受け付けません、というところもありますが、伏見稲荷大社はそういうこともないようです。ですが御朱印というものが何なのか、基本的なことは知っておいたほうが良いですね。
火焚祭も見逃せない
京都の秋の風物詩である火焚祭は、毎年11月8日行われている定例祭です。4月に行われている水口播種祭と6月の田植祭、そして10月の抜穂祭に続く神事で、栽培された稲や全国から奉納された数十万本の火焚串を3基の火床で焚き上げていく迫力のある伝統行事です。
五穀豊穣、万物を育てる稲荷大神のご神恩に感謝するもので、宮司以下神職をはじめとする参列者一同が大祓詞を奉唱し、罪障消滅と万福招来を祈ります。
全校各地で同様に収穫に感謝する祭り事は多く行われていますが、伏見稲荷大社の火焚祭のスケールは全国一とも言われており、立ち上る火柱は圧巻です。
行われる時間ですが本殿の儀は13時から、火焚神事が14時から、御神楽(人長舞)は18時からで自由拝観となっています。
便利なアクセス方法、駐車場
《電車》
京阪本線 伏見稲荷駅下車 東へ徒歩5分
《バス》
《車》
阪神高速道路 上鳥羽出口からは10分ほど。
参拝者用に駐車場も用意されてはいますが、紅葉のピーク時にはまず空いていないと考えたほうが良さそうです。極力公共の交通機関を利用しましょう。
伏見稲荷他社周辺の紅葉狩りスポット
せっかく京都にきたのであれば伏見稲荷大社だけで終わらせてしまうのはもったいない!京都には他にも紅葉刈りにぴったりな場所がたくさんあります。
鮮やかな朱色にも、落ち着いた木目にも、京都の景色は紅葉の美しさが際立たせます。しっぽりと抹茶をいただきながら紅葉を楽しんだり、水面に映る色を写真に収めたり。あなたなりの贅沢な時間の過ごし方を見つけてみてください。
時間があれば全部回りたいところですがここだけは外せない、そんなスポットをご紹介します。
光明院(虹の苔寺)
東福寺塔頭のひとつである光明院は東福寺の南にある穴場的スポットです。 「そうだ京都、行こう」のポスターに使用されたこともあるので以前よりはも人出もありますが、東福寺よりは少ないので自分のペースでのんびりと美しい枯山水式の庭園を堪能することができます。
庭園は季節ごとに楽しませてくれるように設計されており、春には桜とツツジ、夏は新緑、秋は紅葉、そして冬は雪化粧と魅力が満載。その中でも特に人気のシーズンが秋の紅葉なのです。
「虹の苔寺」と呼ばれている由来ですが、敷地内の地面や岩には多数の苔が生えており、紅葉の時期ともなれば色づく葉と合わせて何色もの色彩が目に飛び込んでくることから名付けられました。
特に円窓から見える紅葉は素晴らしく、晴れた日には太陽の光に照らされて辺り一面が幻想的な雰囲気に包まれます。特徴的な枠の丸い円は月を模していて、東の空へと月が昇っていく様子を楽しむことができるのです。
住所:京都府京都市東山区本町15-809
東福寺 通天橋
東福寺は日本最古で最大級の伽藍です。紅葉のピークともなれば通天橋の前には長蛇の列ができますが、そんなに並んでまでみたいもの?という疑問は一度足を運べば納得です。
まさに“燃えるような”という表現がぴったりの東福寺の紅葉は色が強く、境内には2000本にもおよぶカエデが咲き誇っています。その中には通天紅葉と呼ばれる、葉の先が三つに分かれて金色に輝くカエデも隠れています。
あまりの人の多さに入る前に拝観終了・・・ということにならないように、なるべく平日の早い時間帯に行くのがおすすめです。休日しか都合がつかない場合は、開門時間より早くきて並んでいる人もいます。
また通天橋から見下ろす紅葉に対して、臥雲橋から見上げる紅葉も風情があります。こちらは通天橋より混雑もしておらず、十分な紅葉が楽しめるのに無料というからびっくり。上からも下からもどっちからも見たい!という欲張りさんにも嬉しいですね。
《バス》市バス202,207,208系統に乗り東福寺バス停下車。
住所:京都府京都市東山区本町15丁目778
醍醐寺
醍醐寺は平成6年に世界文化遺産に登録され、木の文化・紙の文化の宝庫として知られています。身分を問わず多くの人々からの信仰を集め文化を伝承してきました。
伝承文化財は「霊宝館」に集められており、国宝が69,419点、重要文化財が6,522点、その他未指定を含めるとなんと約15万点にもおよびます。毎年それらの一部は季節によって展示の入れ替えが行われており、霊宝館で一般公開されています。
また国宝である五重塔は醍醐天皇の冥福を祈るために起工し、951年に完成しました。京都府下最古の建造物であり、壁画は日本密教絵画の源流であるといわれています。
そして醍醐寺の紅葉ですが、境内にはモミジ・イチョウ・コナラ・リョウブといった木々が11月頃に色づき始め、素晴らしい紅葉となり楽しませてくれます。中でも三宝院の紅葉は特別に美しいと評判です。
弁天橋と真っ赤に染まった紅葉の相性も抜群、着物を着て歩いてみたくなりますね。
《バス》京都駅八条口からホテル京阪前(山急醍醐寺ゆき乗り場)
JR山科駅から22,22A系統乗車
住所:京都府京都市伏見区醍醐東大路町22
伏見稲荷神社〜嵐山コース散歩
豊かな自然に囲まれた嵐山も、紅葉の時期には素晴らしい景色を見ることができます。伏見稲荷大社からJR嵯峨嵐山駅までは電車で25分ほどの距離。ちょっと足を伸ばして訪れてみる価値は十分にあります。
嵐山には写真スポットとしても人気の渡月橋や数多くの寺院が点在しています。山全体から燃えるような紅葉に包まれているので、どこを見ても紅葉を楽しむことができますが、その中でも渡月橋を渡り天龍寺に進み、竹林の小径方面に向かうルートが人気です。
天龍寺には嵐山を代表する「曹源池庭園」があり、池に紅葉が映り込む様子は幻想的です。縁側に座り眺めているだけでも時間を忘れるほどの美しさ。
望京の丘の遊歩道も紅葉スポットとして人気が高く、散策しながら色とりどりに色付いた紅葉を楽しめます。
そしてツアーなどが組まれることも多いですが、夜の紅葉を見ることができるのも京都ならでは。嵐山では紅葉スポットだけでなく竹林も大々的にライトアップされるので、昼間とはまた違った自然の中を散策することができます。
暗闇に浮かぶ鮮やかな赤や黄のコントラストは一度見たら忘れられません。
まとめ
いかがでしたか?歴史ある建物に映える鮮やかな紅葉は一見の価値ありです。写真に収めようとカメラ片手に歩いていてもついつい魅入ってしまう、そんな光景が街全体に広がっています。
美しい紅葉というのはさまざまな気象条件の下、一年の中でもほんの少しの期間しか見ることができません。昼間の紅葉とライトアップされた夜間の紅葉、時間帯によってガラッと表情を変える景色をぜひ楽しんでみてください。